四一 小早川隆景書状 ○東大影写本ニヨル
(端裏捻封ウハ書) (慶岳)
「 日名内但馬入道殿
〆 隆景
真 田 大和守殿 」
(版木)
法花経判規仏通寺江寄進候、委細十乗坊相含候間、有二相談之一、末代重宝ニ成候
(真田景久ヵ)
様能々可レ被三申二渡之一、然者大和守十乗坊同前ニ仏通寺可レ被レ上事干要候、
謹言、
(永禄九年・1566)
卯月廿五日 隆景(花押)
「書き下し文」
法花経版木仏通寺へ寄進し候ふ、委細十乗坊に相含め候ふ間、相談之有れ、末代の重宝に成り候ふ様能く能く之を申し渡さるべし、然れば大和守十乗坊同前に仏通寺に上らるべき事肝要に候ふ、謹言、
「解釈」
法華経の版木を佛通寺に寄進します。詳細は十乗坊に言い聞かせておりますので、そのことを相談しなさい。末代までの大切な宝物になりますように、念には念を入れて版木をお渡し申し上げなければならない。したがって、大和守は十乗坊と同じく仏通寺にお登りになるべきことが大切です。以上、謹んで申し上げます。