周梨槃特のブログ

いつまで経っても修行中

空飛ぶ障子! 〜未確認飛行物体 Part2〜

  寛正三年(1462)五月二日条

        (『経覚私要鈔』5─288頁)

 

  二日、丙申、天曇、

   (中略)

     (成身院)

 一随身院経誉僧都来、語申云、相国寺内より障子ノ勢ホトノ物光テ西ヲ指飛、此条

                   (×入)

  可申入欤如何哉之由、面々談合之処、不申入者不可然之由面々申之間、申入了、

      (栗田郡)(矢橋)   (衍ヵ)

  其剋又自江州矢ハせノ渡ノ海中ヨリ障子ノコトクノ物ヒカリ出テ西ヲ指テ飛了

  云々、其由同注進云々、

 

 「頭注」

随心院出世成身院経誉が来て相国寺内から障子のような光る物が西に飛び、同時に近江矢橋渡の海中より光る物西に飛ぶ変異があった。

 

 「書き下し文」

  二日、丙申、天曇る、(中略)

 一つ、随身院経誉僧都来り、語り申して云はく、相国寺内より障子の勢ひほどの物光りて西を指して飛ぶ、此の条申し入るべきか如何なるかの由、面々談合の処、申し入れずは然るべからざるの由面々申すの間、申し入れ了んぬ、其の剋また江州矢橋の渡の海中より障子のごとくの物光り出でて西を指して飛び了んぬと云々、其の由も同じく注進すと云々、

 

 「解釈」

 一つ、成身院経誉僧都がやって来て、語り申して言うには、相国寺内から障子の形状くらいのものが光って、西を指して飛んでいった。この件を申し入れるべきかどうかを、その場の人々で話し合ったところ、申し入れないことは適切でないと面々が申すので、申し入れた。そのころまた近江国の矢橋の渡しの海中から障子のような物が光りながら出てきて西を指して飛んでいったという。その件も同じく注進したという。

 

 「注釈」

「矢橋渡」

 ─滋賀県草津市矢橋町(『滋賀文化財教室シリーズ』No.172、https://www.shiga-bunkazai.jp/wp-content/uploads/2023/06/kyoushitsu-172.pdf)。

 

 

【コメント】

 中世の未確認飛光物体情報の第二弾! 第一弾(「空飛ぶカワラケ!」)は夜空をすっ飛んでいく「土器」のような彗星でしたが、今回の光物は障子ほどの大きさで、相国寺や海中から飛び出しているので、明らかに彗星ではなさそうです。とはいえ、人魂にしては大きすぎます。この怪光、いったい何なのでしょうか?