周梨槃特のブログ

いつまで経っても修行中

仏通寺文書23

    二三 小早川煕平并祥瑞外七名連署規式写  ○住持記ニヨル

 

   御許山仏通禅寺評定衆御人数之事

 当住持       納所        維那

 含暉院主      肯心院主      智泉院主

 長松院手      長悳院主

 一当住持番衆諸塔主、堅可守先師之規式

 一諸派出番納所等、不不器之人

 一当納所一回之間、寺家細大雑務件々可衆評

 一年々随土貢豊倹衆僧多寡之

 一常住置銭番々不失事

 一伐寺中植木山門境致

 一於山林材木以下山外不切出

 一本寺并諸塔頭若於一院非例之儀者、評定衆之事

 右以此規式、末代寺家可然之様可評議之状如件、

     (1463)

     寛正四年癸未十月廿九日    備後前司煕平有判

           含暉祥瑞        維那妙寿

           納所祥沢        永徳徳林

           智泉祖心        肯心宗春

           当住幻観        長松智厳

 

 「書き下し文」

   御許山仏通禅寺評定衆御人数の事

    (中略)

 一つ、当住持・番衆・諸塔主、堅く先師の規式を相守らるべき事、

 一つ、諸派の出番・納所等、不器の人に任せらるべからざる事、

 一つ、当納所一回の間、寺家細大の雑務の件々衆評を請はるべき事、

 一つ、年々土貢の豊倹に随ひ衆僧之を多寡する事、

 一つ、常住置銭番々失はれざる事、

 一つ、寺中の植木を伐り山門の境致を失ふ事、

 一つ、山林の材木以下に於いて山外に切り出ださざる事、

 一つ、本寺并びに諸塔頭若し一院に於いて非例の儀有らば、評定衆之を董さるべき事、

 右此の規式を以て末代寺家然るべきの様に評議有るべきの状件のごとし、

 

 「解釈」

 一つ、現住職・番衆・諸塔主は、厳密に先師の定めた規則を互いに守らならなければならないこと。

 一つ、諸派から人員を出す番衆・納所等の役職は、資質・才能のない人間に任せてはならないこと。

 一つ、現納所の一度目の任期中は、寺院のあらゆる雑務は評定衆の評議を受けなければならないこと。

 一つ、年ごとの年貢の豊凶にしたがって衆僧の数を増減すること。

 一つ、寺の共有物としている請負銭については、各番衆が使い尽くさないこと。

 一つ、寺中の植木を伐採して、境内の景観を損なわないこと。

 一つ、山林の材木などを伐採して、境外に持ち出さないこと。

 一つ、本寺ならびに諸塔頭において、もし一つの塔頭でも前例にない勝手な振る舞いがあれば、評定衆がその行為を正さなければならないこと。

 右、この規則によって、将来まで寺院が適切であるように評議するべきである。